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〒895-0074 鹿児島県薩摩川内市原田町2番46号

腎臓内科

はじめに

腎臓という臓器は、腰より少し上の、背中側に左右1つずつあります。ちょうど、握りこぶしと同じくらいの大きさで、ソラマメみたいな形をしています。腎臓の働きは、体の中の余分な水分や老廃物を尿として外に出すことです。その他にも、体内の電解質(ミネラル)のバランスを調整したり、体に必要なホルモンを作り出したりしています。このように腎臓の働きは様々で、体にとって重要な臓器です。

慢性腎臓病(CKD)

長期間、腎臓が障害を受けている状態を慢性腎臓病(CKD : Chronic Kidney Disease)と呼びます。腎臓が傷んでいる状態を放っておくと、どうなるでしょうか?実は腎臓が傷んでも、最初のうちは自覚症状がほとんどないことが多いのです。これが腎臓病の特徴です。気づかないうちに腎臓病が進行して末期腎不全に至り、吐き気・食欲不振・意識障害・不整脈など、いわゆる尿毒症と呼ばれる症状が出現します。ここまで悪化してしまうと、命をつなぐための透析療法(注)が必要になります。
 また、CKDの患者さんは高い頻度で心臓病・脳卒中を起こすという統計的なデータが出ております。腎臓のみにとどまらず、他の全身の臓器を障害することがわかっています。そのため、CKDの早期発見・早期治療が必要となります。
 では、このCKDですが、一体どれくらいの頻度なのでしょうか?まれな病気なのでしょうか?
 統計では、日本全国に約1300万人いると言われております。これは成人の約8人に1人の割合です。糖尿病患者が約1000万人、高血圧患者も約1000万人ですので、いかに多くの患者さんがいるのかがわかるかと思います。

注)透析療法=人工的に血液中の余分な水分や老廃物を取り除き、血液をきれいにする働きを腎臓に代わって行う治療法です。透析療法には、「血液透析」(機械に血液を通してきれいにする)と、「腹膜透析」(患者さんご自身のお腹の膜(腹膜)を利用して血液をきれいにする)の2つに大きく分けられます。

CKD予防ネットワーク

CKDは自覚症状がないまま進行することが多いですので、検診等での採血・検尿が唯一の手掛かりといっても過言ではありません。現在、川薩地区では「CKD予防ネットワーク」といって、行政・かかりつけ医・腎臓診療医が協力して、腎疾患の早期発見・早期治療を行う仕組みができております(図)。現在、多くの先生方にご協力いただき、このネットワークにご参加いただき、CKD診療にご協力いただいております。
 「検診で尿の異常や腎臓の数値が悪いことを言われたけど、何も症状がないから放っておいていい」わけでは決してありません。必ず、かかりつけ医を受診していただき、精密検査を受けてください。そして、かかりつけの先生方には腎疾患が疑われた時は早めに当科をご紹介いただければと考えております。

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さいごに

当院の腎臓内科は、腎臓に関する疾患の診断・治療から、透析を始めとした血液浄化療法まで、幅広く対応しております。腎臓について、何か気になることがありましたら、当院またはかかりつけの先生を受診してください。川薩地区の腎疾患診療に少しでも貢献できるよう、頑張ってまいります。
 今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。

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