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高精度放射線治療装置「ラディザクト X9」

令和6年11月より、最新型の放射線治療装置トモセラピー「Radixact X9(ラディザクト X9)フルオプション」に更新して運用を開始しました。ラディザクトは強度変調放射線治療(IMRT)に特化した放射線治療装置で、ヘリカルCTスキャナーを応用して開発され、外観も従来のCT装置と似ています。CT撮影と治療を同一機構で行うので、高い精度を保ちながら同時に正常組織への副作用を抑えることにより高い治療効果が期待できます。全身の固形腫瘍(がん)や骨転移等の痛みの緩和、近年ではオリゴ転移(少数の転移・再発)に対しても精度の高い放射線治療が実現可能です。

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ラディザクト X9の特徴

ラディザクト X9は、ヘリカルCT技術を応用して開発された高精度放射線治療装置トモセラピーの最新型で、高い強度変調放射線治療(IMRT)の性能に加え、さまざまな優れた機能を有しています。

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画像誘導放射線治療(IGRT:Image Guided Radiation Therapy)

CT撮影と治療を同一機構で行うので、精度の高い位置合わせを行うことが可能です。治療直前に毎回撮影する三次元画像により画像誘導放射線治療(IGRT)を行うことで、腫瘍の形状や大きさなどに対応した高精度の治療ができます。寝台を移動させながら照射を行うため、広範囲の腫瘍や複数部位の腫瘍を一度に連続して治療することも可能です。

体表面画像誘導放射線治療(SGRT:Surface-Guided Radiation Therapy)

可視光により無被ばくで体表面の凸凹と距離を認識し三次元画像を取得できる体表面画像誘導放射線治療(SGRT)も可能となります。特に乳房照射で実施することで皮膚マーキングをなくせる可能性があります。心臓の線量を減らせる深吸気息止め照射(DIBH:Deep Inspiration Breath Hold)も可能です。

動態追尾機能(Synchrony:シンクロニー)

シンクロニーとは動く標的(肺、肝、膵、前立腺など)を自動的に追尾して、安全に放射線治療を行うための技術です。患者さんは通常の呼吸のまま連続照射が可能で治療範囲の最小化で副作用が減らせます。胸部や腹部にLEDマーカーを装着することで、呼吸にあわせた照射ができます。肺はマーカーなしでも照射できますが、前立腺などは標的位置を同定するため、金マーカーなどの前処置が必要となります。

強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)

最近の放射線治療では、正常組織への影響を最小限に抑えられる強度変調放射線治療(IMRT)が注目を集めています。ラディザクト X9はIMRTに特化した放射線治療装置で、病巣に対して放射線の強弱や照射野の形を変えつつ多方向から照射できます。マルチリーフコリメータ(MLC:Multi Leaf Collimator)という、特殊な金属板で放射線を遮り、放射線の強さに強弱をつけ腫瘍他に照射ができる方法です。放射線量を変化させることで、不整形で複雑な形の腫瘍にも照射が可能となります。

適応疾患

治療の対象となるのはほぼ全ての固形がんです。広範囲に広がるがんや複雑な形状のがんに対しても、標的の位置を正確に捉えつつ、ビームの強度や形状を最適に変化させながら、360度全方向から回転しながらのヘリカル照射と、位置を固定した直接照射を使い分け、広範囲の腫瘍(様々な形状の腫瘍や複雑な広がりを持つ腫瘍)や複数部位の腫瘍を一度に連続して治療することが可能です。さらに、従来の放射線治療装置では複数回に分けて治療していた症例にもラディザクト X9では繋ぎ目のない連続的な治療が行えます。

頭蓋内疾患:転移性脳腫瘍、原発性脳腫瘍、頭蓋骨腫瘍、など

頭頸部疾患:咽頭・喉頭がん、頸部リンパ節転移、副鼻腔がん、唾液腺がん、など

体幹部疾患:乳がん、前立腺がん、肺がん、食道がん、肝がん、膵がん、リンパ節転移、子宮頸がん・体がん、膀胱がん、直腸・肛門がん、骨軟部腫瘍、転移性骨腫瘍、など

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