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病理診断科は診療科のひとつとして 1)病理組織学的診断 2)細胞診 3)病理解剖(剖検)を行っております。 ■ 病理組織学的診断 病理組織学的診断は病変部(病気の部分)から採取した組織を直接観察し、その形の変化により病変の診断を行います。 これには2つの方法があります。ひとつは採取した組織からパラフィンブロックを作製、これを薄く切り(薄切)染色して標本を作り観察します。このことにより悪性腫瘍か良性の病変か、悪性腫瘍ならばどのような種類で、どの程度悪い性格をもっているか等を判定します。また手術で摘出された臓器では病気の拡がり、転移の有無などを観察していきます。このように病変を直接観察し診断する病理組織学的診断は最終診断と言われ、治療方針決定に重要な役割を果たします。 もうひとつは手術中に提出された検体を凍結後、薄切し、リンパ節への転移の有無、断端への腫瘍浸潤の有無を観察し判定する術中迅速診断です。術中に判定することにより追加切除の必要性など、手術方針を決定することに役立ちます。また抗原抗体反応を用いた免疫組織化学染色を積極的に行い、より精度の高い診断を行うよう心がけております。この免疫組織化学染色は近年行われている患者様個別の治療の選択にも役立っております。 ■ 細胞診 組織学的診断同様、採取検体を染色後、細胞の形、配列等を顕微鏡で直接観察しますが、検体の採取が比較的容易であり検診などに広く用いられております。また、尿、喀痰、胸水、腹水など、病理組織標本の作りにくい時には大変有用です。さらに近年積極的に行われている穿刺吸引細胞診は、病変部を直接穿刺して検体を採取するため診断的意義が高く、細胞診の重要性はますます大きくなってきております。 ■ 病理解剖(剖検) 不幸にして病気で亡くなられた方のご遺体を解剖し、各臓器を肉眼的、顕微鏡的に観察することで、死因の解明、病気の全身に及ぼした影響を把握し、生前の治療の適否、効果の判定を行い、今後の医療に役立てていきます。 病理診断の分野も他の分野同様、大きく進歩しております。今後も川薩地区唯一の病理診断科として、臨床各科との連携を一層深め、迅速かつ正確な病理診断を行って いきたいと考えております。
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